徒然、岸田日記。

by tanabe on November 28, 2004

岸田日記がいいんですよ。
ご存知ですか?岸田日記。

すっごいバンド・くるりの岸田さんの日記です。
OTですら(失礼)Blogなのに、岸田さんは日記です。素敵です。

インターネットの時代となってから、けっこう著名な方のパーソナルな発信を見られるようになりましたが、私の知っている中でも一、二を争うくらいに「素」なかんじがして好きなものです。

例えば直近の良い話だけでも、

11/24(水)

 また堀江さんが凄いビデオを持ってきた。1983年の映像で、三大ギタリストが共演するという豪華なライブビデオです。我々の中では三大ギタリストは神様たちですが、最近のロック・リスナーはどうも違うっぽいので補足しておくと、エリック・クラプトンとジェフ・ベック、そしてジミー・ペイジのことです。(略)

 ジェフ・ベックの完璧なステージを受けて登場した大先生。びっくりしました。むっちゃ下手やねん。びっくりしたよほんまに。音になってへんピッキング、全くもってリズムがヨレていてキメが合わへん。(略)

 でも、なんか勇気をもらいました。ペイジは俺にとって神様やったけど、神様の長い歴史の中であんなひどい瞬間があって、でもなおあんだけ凄いことができる才能があるわけやから。完璧な人なんていやへんねん。失敗を恐れず、練習を欠かさず、芸術を爆発さしてたらたまに凄いことがおこんにゃなと思った。
練習あるのみ。


他にも

11/25(木)

 マネージャー森田と土橋と、コンプレックスについての話をした。誤解なきように言うとくと、ビーマイベイベーの人らのことではありません。悪しからず。

 コンプレックス凄かってんな。昔っから。今も。(後略)

こんな軽いのも面白い。

11/18(木)

 よく行くリハーサルスタジオの隣に、燻製専門のレストランがあり、最近よく行く。厚焼き玉子の燻製にはびびった。これぞほんまもんの和洋折衷やと思った。ビックリするほど美味いよ。あと、半熟玉子の燻製を生ハムで巻いたやつや、リ・ド・ヴォーを生ハムで巻いたやつ、チキンや魚介類から豆腐まで、世の中の食い物全部スモークしてくれと思うくらい美味い。美味い洋食には、ワインがいい。最近ビールを飲んでいない。ずっとワインしかも赤。ネクタイもつけてるから、どういうことやねんって感じやけど、これが俺にとって欲望全開アホ全開バリバリロックな気分なのです。(後略)

最後に最近で一番好きなやつ。
一生、くるりに付いてきます。ほんと音楽好きなんだなぁ、岸田さん。

11/17(水)

 怒髪天と24/7のイヴェント「ディスカバリー・ジャパン」に出させてもらってきた。対バン形式のイヴェントは、実のところ去年の年末以来ちゃうかな。ずーっとツアーやってたからね。ほんで、夏休んだから。


 怒髪天すごいです。ライブ観たことないやつは、すぐにでも観た方がいい。


 音楽性とか、曲調とか、はっきりいって大して興味はないんです。でも、魂の部分、つまり演奏してはるときの顔、動き、言葉を発したときの説得力、バンドの演奏力、年輪、お客さんの顔、バンド名…。全てが最強のロック魂をもってバーストしている。これや、欲しいのは。誰が何と言おうと、おれは増子兄弟についていく。打ち上げでいい話を聞かしてもろた。アホやからロックバンドやってんにゃと。確かに賢かったらやってへんわな。電通とかでばりばりやってると思うわ。増子さん曰く、佐藤が一番ミュージシャン以外の仕事に向いてへんらしい。「今までいろんな人間観てきたけど一番社会に出るとあかんタイプ」らしい。よかったな、佐藤。


 巧いこと演奏するのもいい(ちゅうか当然の前提)けど、やっぱしロックバンドはガツーンドカーンとやらなあかんのよ。びくびくしてたり冷や汗かいたりしながらやるもんちゃうにゃな。あとは命かけてやらなあかん。それは思い込みとちごて気ぃついたらそうなってたちゅう感じでね。「趣味でやってる」がジョークやったとしても、俺には言われへんわ。怒髪天の音楽なんて、合うてるのか間違うてんのか分からへんくらい偏ってるやん。でもかっこええからそれでええねん。それが逆は、かっこわるい。くるりがそうなったら、俺はすぐ音楽をやめる。くるりはイバラの道を突き進む。

これは、ずっと残したかったんで、全文引用。
(問題あったら消します。ごめんなさい。)

これ読んで、”同じプロ”として俺は自分のイバラの道を突き進もう、と思う勇気が湧きました。
いや、いつもそう思ってるんだけど、たまに弱気になったり、忘れそうになるんで。
音楽やめたけど、今はシステム屋のプロなんで、意地は見せないとなぁ。

そんなこんなで、大好きな岸田日記の話でした。