NEETと鈴木隆行

by tanabe on November 11, 2004

今日読んだ二つのものがあまりにもギャップがあったんで
どうしても書きたくなりました。

一つはnumber 610号の鈴木隆行の記事。
鈴木の生き方は美しいと思う。

もう一つはNEETを書いたasahi.comの記事
"ニート"なんていう安い響きに逃げ込ませてはダメだと思う。


numberの鈴木隆行の記事については、今手元に本がないので、
あまり詳しい話は書けないのだけれど、鈴木の言う「これが、男だ!」
っていうセリフはかっこいいと思うし、自分もそのセリフを吐ける
人生を積み重ねたいと感じた。

「これが、男だ!」というセリフは、ベルギーリーグ
ゲンク vs ゾルダーでの試合で、かつて自分を不遇したゲンクに、
鈴木所属のゾルダーが2対0で勝利したときのセリフだ。

記事のどこまでが本音かはわからないが、自分を過大評価も
過小評価もせずに、その中で意地をもって戦う鈴木は
本当にかっこいいと思う。

たしかに代表の試合を観ていて「おいーっっ!」と
叫びたくなる時も多々あるが、それでも鈴木が好きだ。



一方のNEETの話。

私はNEETが嫌いだ。
NEET = Not in Education, Employment or Training
だそうだが、こんな誰も彼も一くくりにする言葉も嫌いだし、
そんな言葉に安住して「ま、いいか」と考えてしまう人も嫌いだ。

正直、同属嫌悪の意識があるのは間違いないと思う。
気を抜くと、自分がその立場に立つ可能性を否定できないから、
気に触るのだろう。

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(asahi.comより)

 若い会社員の離職率は、不況にもかかわらず増えている。
 厚生労働省が若年者の離職理由を調べたところ、
 賃金や労働条件の不満もあるが、「仕事が自分に合わない」
 「人間関係がよくない」「キャリア形成の見込みがない」
 などといった理由が上位に並ぶ。

 独立行政法人労働政策研究・研修機構の副統括研究員、
 小杉礼子さんは昨年から今年にかけて、無職か不定期
 アルバイトなど「定職を持たない」若者50人に聞き取り
 調査をし、理由をまとめた。

 「人間関係が不安」「一度就職したが自信喪失」
 「やりたいことがわからない」「刹那的」

 四つの分類は、先に挙げた離職理由と重なる。

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こんなことを若者だけが感じているはずがない。
誰だって人間関係不安な中、たいして自信もないけど、
本当にやりたいことではないのも分かって、
その日、その日をなんとかやってるに決まってる。

頼むから、こんな言葉に甘えさせないで欲しいと思う。
Simple -憂鬱なプログラマによるオブジェクト指向な日々-にもあるが、
統計や報道のような調査結果というのは、その発表自体が力を持つと思う。
NEETが多いという統計や報道によって、
NEETでいることが許容される空気ができていく。
実際はいつの時代でも、誰でも感じていたことが自分だけの特別な
感情の様に思えてしまう。
そうして、本来はそれほど深刻ではなかったはずの人が
会社辞めてみたり、本当の自分探しを始めたりしてしまう。

身体や心がビョーキになりそうな人、なっちゃった人は別。
これは、ちゃんと一度治療した方がいい。
治してから、苦労して我慢して頑張ればいい。
そうしないと、命にかかわるから。

そうじゃない人は、身体張って生きてみてほしい。
身体を使わないと、心まで不健康になっていくし、
現実と関わることが減ると、自分の生活の現実味が薄れて、
命の重みも感じられなくなっていくから。


# 二つの話がさっぱり対比になっていないのは、
# 承知しております…
# 鈴木が「苦労してれば良いこともあるでしょ」って
# スタンスでやれることを積み重ねているのに対して、
# 「努力する自分」の価値を認められない、
# 軽視するNEETの話が哀しかったのでこの話を書きました。
# "ONLY ONE"になれなければ、"NO ONE"になってしまう
# バランス感覚のなさがどうにも。。
# 「ま、色々あるけど、お互いなんとかやってこうよ、同世代」
# ってことです。

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「こういうプレーをしたいというイメージは誰もがもっている。ドリブルで何人も 抜いて、どこからでもシュートを打って、必ず決めてしまう、みたいなね。 でも、自分ではそれ、全然できないしね。」 「だって、自分の試合のビデオを見たときに、『もういい加減にしてく
鈴木隆行【el-c-le日記Blog】at November 12, 2004 23:44