IT専門誌の嘘の見破りかた

by tanabe on October 29, 2004

TBではないですが、./の「健康食品広告の嘘の見破りかた」
を読んでの話。


いわく、

1.「即効性」「万能」「最高のダイエット食品」
2.「ガンが治った」などの治療、治癒に関する言及
3.「天然」「食品だから安全」「全く副作用がない」
4.「新しい科学的進歩」「奇跡的な治療法」「他にない」
 「秘密の成分」「伝統医療」
5. 驚くべき体験談、医師などの専門家によるお墨付き
6.「厚生労働省許可」「厚生労働省承認済み」
7.「○○に効くと言われています」
8.「ダイエットに効く○○茶(特許番号××番)」
9.「○○を食べると、3日目位に湿疹が見られる場合がありますが、
  これは体内の古い毒素などが分解され、一時的に現れるもの
  です。これは体質改善の効果の現れです。そのまま
  お召し上がりください。」

とのこと。


ふと普段感じていたこととリンクしたので、
「IT関連情報の嘘の見破りかた」

1.「即効性」「万能」
2.「○○がうまくいく」などの克服、対症に関する言及
3.「オープンソース」「オブジェクト指向だから○○」
 「全く副作用がない」
4.「新しい科学的進歩」「奇跡的な開発法」「他にない」
 「秘密の手法」「レガシーマイグレーション」
5. 驚くべき体験談、ITコンサルによるお墨付き
6.「経済産業省許可」「MS/Oracle/IBM承認済み」
7.「○○に効くと言われています」
8.「生産性・保守性を高める○○」
9.「○○を使うと一時費用はかかりますが、
  将来的にはコスト対効果は高くなります。」


ITの話題の場合は、ほとんどの話は全くの嘘ではないのだけれど、
次の3つの条件が達成されることが暗黙の前提となっているのが
怖ろしい。これが何よりも困難な条件なのに。

 ・ビジネスとしての戦略が正しい方向性を持っていること
 ・ソフトウェアの設計が戦略にマッチし、合理的であること
 ・適切なプロジェクトマネジメントが成されること


ふとそれまで読んでいた日経コン○ュータの表紙を見ると、

●特集 知られざる2007年問題
・ピーシーエー生命保険 
 倍速開発で契約システムを全面刷新
・新手法MDAで、さらば保守地獄
・IT導入トラブルを避ける

…あぁ、これも仲間か。。。

良い物だと思って摂取していても、
実態を伴わず宣伝文句だけ。


どうせ理想的な話を掲げるのなら、
長く地道な道だけれど、こちらの本の方が内容に実があるので、紹介。
(どちらも同じ日経BP社なんだけどね。)

「ソフトウェアの匠 - Software Masters -」
 まつもとゆきひろのプログラミング言語論
 羽生田栄一のオブジェクト論
 萩原正義のシステム・アーキテクチャ論
 八田真行のオープンソース論
 高林哲の検索技術論
 津留雅文のBIOS論
 八幡勇一のキーボード論
 今野浩のソフトウェア特許論
 などなど


正しい思想の下に学ぶことは、ソフトウェアエンジニアを
ぐっと成長させると思うのです。