ベンチャービジネスとスモールビジネスの違い

by tanabe on October 01, 2004

My way, your way, any wayさんのエントリ
「コスト計算って余りしませんよね」で、
9/24の梅田望夫氏のエントリ
「ベンチャービジネスとスモールビジネスの大きな違い」
でいう”違い”がよくわからなかった、
という記述があったので、私なりに補足してみたい。


梅田氏のBlogは一般論としてのベンチャービジネスと
スモールビジネスの違いを述べたものではない。
ここで主張されていることは、下記のような内容である。

 ベンチャーとスモールビジネスの経営者は、
 自分がどのようなビジネスを志向しているのかを
 正確に理解しなければならない。
 なぜなら、それぞれは最終的に目的とするものが
 大きく違うからだ。
 ベンチャーは成長を目的としたビジネス、
 スモールビジネスは個人の満足を目的としたビジネスなのである。


あくまで主張の裏付けをするために
それぞれのビジネスの違いを取り上げているだけであり、
それぞれの違いはメインテーマではない。
当然主張に関わらない違いは省略されている。

これに対し、My way, your way, any wayのtako氏の求める内容は、
もっと一般的に通用するベンチャーとスモールビジネスの違い
であると思われる。

ここからは私見によるベンチャーとスモールビジネスの
一般的な違いを補足しておく。


ベンチャーもスモールビジネスも小企業のビジネスである

 Goo 国語辞典によると、ベンチャービジネスとは下記のように
 説明されている。

  新技術や高度な知識を軸に,
  大企業では実施しにくい創造的・革新的な経営を
  展開する小企業。ベンチャー。


 ポイントは小企業である点である。
 この点で、スモールビジネスと混同されるのだろう。


ベンチャービジネスは、小企業であることを活かし大企業を目指す

 ベンチャービジネスが大企業に実施しにくい
 創造的・革新的な経営を展開する目的は、
 大企業に勝つためである。

 大企業に勝つことを目指すからこそ、
 投資を受け成長を希求する。
 小企業でいることは武器の一つであり、
 目的のためには大企業となることは厭わない。


スモールビジネスは、小企業であるからこそできることを希求する

 一方で、スモールビジネスも同様に
 大企業の実現しにくい経営を行うことが多い。
 ただ、その目的はそれが大企業に対し有効だからではなく、
 そのような経営を行うこと自体に意味があるからなのだ。

 その意味とは例えば、自分の自由な時間が増えるだったり、
 本当に面白いと感じる仕事だけに集中することができる、
 といったものであったりする。

 つまり、自分でコントロールできる範囲のビジネスに絞ることで、
 大企業に居ては実現できないことが実現できるようになる。

 その意味で、自分のコントロールできる程度に
 小さな企業でいることは非常に重要なのである。
 当然、大企業を目指すことはない。


 * 「当然、大企業を目指すことはない。」はずなのであるが、
  ここを勘違いした経営者がいた場合に、不幸が生まれることを
  梅田氏は訴えたのだろう。