SI業界が開発するシステムの目的は何か? それがつまり「業務知識」というやつで、金融や保険だったり、証券取引、財務会計、生産管理、物流・在庫管理、販売管理だったりするのだ。
スーパークリエイターがSI業界で即戦力になれない理由
もう業務知識幻想は止めようよ。必要なのは課題を適切に設定する能力とその解決に向けてプロジェクトを円滑に進めるプロジェクト遂行能力。その最低限の基盤になるのがコンピュータサイエンスなり、プラットフォームの知識と経験でしょう。(自分も弱いのを棚に上げて言うけどさ。)
一番性質が悪いのが「業務知識」だと思うよ。この言葉も意外に確かなものを伝えていて、所詮知識なんだよね。別にそれを使って仕事をしたわけではないから、業務スキルではなく業務知識。
「業務知識」の意味するところっていうのは、『開発チームの一員としてドメインに精通している(少なくとも文化としての用語がわかり、それがなぜそうなっているかの背景を知っている)人が最低一人は必要』っていうだけのことだ。それは別に SIer として必要というわけではなくて、開発プロジェクトのチームの中に一人は必要というだけのこと。もちろん、お客さんでもいいし、客先の社内 SE でもいい。
はてブのコメントとか見ていると、本当にこれに納得している人が多いようで、参ってしまう。いっそ「業務システム開発学科」の基礎になるような単元考えてみようか。「業務知識」や「HULFT (やら諸々)」の比重がいかに軽いかわかるから。
あ、ただし、
即戦力とは「金融工学と財務会計に詳しくてCOBOLとABAPが読めてWebSphere上のJavaが書けます」な人が、SIer の営業的に売りやすくて「即、金になる」人なことはまったく否定しない。「人月単価方式では、遊びの時期を最小化するのが在庫削減なんです」みたいなことを考えている企業には最高に都合のいい人材なことは間違いない。
追記:ということで、書いた。「業務システム開発学科」開講。
あ、なんか読み返してみると元記事への dis っぽくなってしまってる。。どちらかというとはてブを読んで誤解のまま広まると参るなぁと思っただけです。
元記事の言われていること(ちゃんとコンピューターサイエンス学んだような人が SIer に来るとスキル(とたぶん嗜好)のアンマッチが〜という話)は、「得意な分野にターゲットを絞って勝負をして、その後に自分の担当範囲を広げていけば、地力が生きてくるだろうなぁ。楽しいだろうなぁ。うらやましいなぁ。」と今も勉強を欠かせないぼくのようなやつは思います。実現したいけれど、手に余って実現できていないことがたくさんあるので。
まとまらなくなったので、リンクして逃げることにしよう。
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