たいていの人は自分のやり方というのを持っている。そして、大人にもなると少なからず自分が知らないことがあるというのを認めたくない。だから、システム開発をしているとこんなことがよくある。
「これこれこういう機能のものを作ってくださいよ。」
「その機能ってどんな機能なんですか?」
「うん。それはね、こんな風に動いて、あとはあんな風に動いてくれれば大丈夫です。」
そして、もし言われるがまま作ったものを見せると、きっとこういう答えが返ってくる。
「ちょっとイメージと違うなぁ。これだと○○なとき、困るんですよぉ。」
ちょっと待て。「よぉ」なんて言われてもこっちも困る。
というわけで、要件聞きに言ったのに機能の詳細に突っ込んで話しをして下さる人へはやんわりとこの言葉を使うことにしている。
「そうですよね。今その機能がなくて困っているのはたとえばどんなことなんですか?」
「このシステムを作る目的を教えてください。」というのは教科書的には正しい質問なのだろうけど、実際それだけ言っても通じないことが多い。たぶん「目的」という言葉が指す範囲が広すぎて、意図が伝わりにくいのだと思う。
そんなときも「自分が困っている問題」については皆はっきりわかっているので、そこについて質問すると知りたい内容が明確に教えてもらえる。
同じ内容を聞くのに聞き方はいくつもあると思うけど、いろいろ試してみた結果、今のところ上の質問が一番効果的。