タイトルは、あえて原題をそのままコピー。
今回、我々は「ネットを主要な販売チャネルとした新しい生命保険会社」を作ろうとしているのであり、ネット上がいわば店舗になる。ここが、お客様との重要な接点。その店舗の作り方がコモディティであり、本質的に差別化するのは難しいと言い切られてしまうと、がっかりせざるを得ない。
http://totodaisuke.weblogs.jp/blog/2007/01/web_web_9de1.html
求めている答えははっとするような洞察を含んだ深い答えか、もしくは思いもよらないようなバカげた発想だろうと勝手に張り込んでバカ担当の方、それも最上級に妄想度の高いやつで応えてみる。
ぶちあげるのは、『保険金は保険料収入からは払いませんよ説』
保険のルールをとことんシンプルにしてみれば、「保険料を集めて、そこから保険金を払います」てことだ。現行のルールでは、元手がお金で出て行くのもお金なので、現在の常識の範囲でしかスケールしない。もちろん、「リスクをとった運用をすれば」とかいくらでも反論は考えつくが、ここはバカサイドの意見なのであえて黙殺。
重要なのは、今一番スケールするものは何?それが元手なら、もっと簡単に保険金くらい払えんじゃないの?というところ。
お金よりも効率よくスケールさせられるものなら、どう少なく見積もっても、既存の生保に勝てる仕組みだ。
んじゃ、いったい何を元手にするんだ?という疑問が当然湧くが、ここで Web が出てくる。
essa さんのこのエントリや、そこからリンクが張られている isologue の記事なんかをぜひ読んでみてほしい。なんとまぁ、パワフルで可能性のあふれた Web のスケール。
Skype に関する
「道に落ちてる直径30cmのケーキに出くわしたアリさんモデル」ですね。 「100% 広告無し」を宣言してしまってるので、おっしゃるように既存電話への出口で、市内料金程度のわずかなお金をいただく、というところで稼ぐしかないわけですが、とにかく現状の電話マーケットがでかい(記事には100兆円とありますが…)ので、その通話の1万分の1を獲得するだけでも十分食ってけそうです。
という話なんかは保険業界というマーケットの大きさを考えるとそれはもう思わず目が耀くほどの可能性を感じてしまうはず。(ニッセイの平成17年度総資産は約50兆円!)
----以下、ちょっと時間がないのでポイントとアイデアだけをがーっとメモ。
- 競争優位の源泉を「ネットの会社」に求めてしまうと厳しそうなのは、保険と Web の間にあるスピードのギャップ
- 保険=とっても長期の事業
- Web=1年前は大昔
- 常に変わり続け、インテルも真っ青なくらいのパラノイアで居続けなければならない
- 今の保険業を特徴付けるのは、プリペイドと少ない顧客とのインタラクション
- 保険料を払ってから保険金を受け取るまでって何年?何十年?
- 顧客が契約後に生保とコンタクトを取るのってどんなとき?顧客接点で価値を生む機会が少ないんじゃ?
- インタラクションが少ない= Users Add Value という一番スケールする部分が制限される
- Tim O'Reilly の言葉を借りれば、Users Add Value と Network Effects by Default, Data is the Next "Intel Inside" が鍵
- ただ、制約は制約として割り切ったところに意外な答えがあったりするもんなので、最初から捨て切るもんでもない
- サービスを提供してまずスケールを確保する
- そこで得られる Participation, Data は何?そこから生まれる Value は何?
- それはどうすれば保険金の原資へと転換できる?
- そのサイクルを継続して回していくには?
たとえば、
- オンライン家計簿。
- オンライン家計簿を提供する。
- 家計簿の入力データは正々堂々二次利用して、新しい価値を生み出す。
- 生み出した価値は、保険金の原資として顧客に還元される。
- 顧客とのインタラクションが定期的に確保できる
- Data が生まれる
- Data があれば、Value を生める
- こと次第によっては、プリペイド方式を止めることだってできるかも
期待するのは、終身保険をがんがん売ってニッセイをおびやかすような企業ではなくて、ガンになったら突然やってきて一千万ボンと置いて去って行く、ブラックジャックによろしくも裸足で逃げ出すような非常識なインパクト。
一粒10万のダイヤよりも一粒10万のチョコレートのようなインパクトがあるとぐっと存在感が出て面白くなると思う。(口で言うのは簡単だなぁ。)