技術者のための提案書のお手本を読む

by tanabe on November 06, 2006

Ringo's Weblog さんで紹介されていた Tim Berners Lee の提案書が面白い。一読されることをオススメします。素晴らしい文書をご紹介・翻訳して下さっている ringo さんに感謝。

1990年にTim Berners Leeが提出した、最初のWebブラウザ開発の提案文書は、優れたプロジェクト・マネジメントの手本となる文書である。

と書かれているとおり、何かが目を見張るほど卓越した提案書というわけではないが、非常にバランスが取れ、よく練られた内容の提案書になっている。(特殊な技法が使われていてスペシャルな存在になっているとかいう類ではなくて、ベーシックなスキルの積み重ねで全体として高品質な提案書になっている。)

個人的に好きな点は、

  • 見通し:やりたいこと、やりたくないこと
  • やらないこと
の項。

この言い回しは、技術文書だとわりと見かけるのだけど、他の界隈ではあまり見ない気がする。たとえば、スコット・アンブラーの「アジャイルモデリング」でも、『アジャイルモデリングとは何であり、何でないか』という項があり、わかりやすかった。ぜひ取り入れたい書き方だ。

# 「見通し」の部分は原文の scope のニュアンスが絶妙で、相手がプログラマであれば、そのままスコープと呼んでしまいたい気がする。「対象(範囲)」だと重たいんだよなぁ。「照準」だといくぶん良いけど、やっぱりスコープの方が良いよなぁ。