基本は、ドラッカーの「経営者の条件」の第二章に集約される。
- 時間の使われ方を実際に記録し、
- やるべき仕事以外のもの(やらなくてよい仕事ではない)に手を付けるのを止め、
- 残った時間をまとめ、大切なことに集中する時間を作る
これは話としてはわかっていた。優先順位ではなく、劣後順位を付ける。
でも、この話がわかっても、実践できていたかというとできていなかった。
それが、次のことを意識するようにしたことで劇的に改善した。
それは、仕事には、
- 定量的な仕事(一定の時間やれば確実に終わり、かかる時間も読みやすい仕事)
- 定量的でない仕事(一定のところまでやれば終り、というのがはっきりしない仕事)
- やりたい仕事・好きな仕事
- やりたくない・気の進まない仕事
そして、その中で、
- やるべき仕事
- それ以外の仕事
これらの優先順位はこのようになる。
- やるべきで、定量的な仕事
- やるべきで、定量的でない仕事
- それ以外
ちなみに、これを意識しないと自然と陥りがちな作業順序はこうなる。
- やりたい仕事で、定量的でない仕事(甘い蜜)
- やりたい仕事で、定量的な仕事(いつでもできそうだから後回し)
- やりたくない仕事で、定量的でない仕事(だらだら仕事)
- やりたくない仕事で、定量的な仕事(面倒なので先延ばし)
「やりたい仕事で、定量的でない仕事」は無駄な作業時間を永遠に長引かせることができる魔法のツールだ。仕事をやってるふりをしながら、成果を出さずに忙しさを演出できる。
正直、ぼく自身もこれが大好きだ。(なんせ「やりたい仕事」なんだし。) Ruby でツールを無駄に凝りながらプログラミングしたり、そこに関心のあるライブラリを使ってみたり、しかも自分用のツールでエンドがない仕事だから時間は使い放題。その上で仕事上のツールだから、あくまで仕事の内。後ろめたい気分になるようなこともない。
しかし、これは冷静に時間に対するアウトプットを考えてみると、成果が少ない。(自己満足は高いので客観視する指標を作らないと、言い訳し放題。)
まとめとして、この一言を。
「最初に申したではないか。まず時間を決めよと」
「はあ」
「なにを何時間、何分間やるのか、決めること。そして時間が来たらやめる。そうしなければ、ほかのことができなくなるではないか」
「はあ」
明るい国の王様は、とまどうクラゾーに「まず、それを決めなければならぬのじゃ」と釘を指しました。
「王様の速読術」より
「まず時間を決めよ」「そうしなければ、ほかのことができなくなるではないか」
この言葉は RSS フィードに埋もれて身動き取れなくなったり、mixi にはまって廃人になったりする時代に、主体的に時間を使うとはどういうことかを端的に語ってくれている。
ちなみに、この「まず時間を決める」こそが、「やるべきで定量的でない仕事」に全体のバランスを見つつ集中するための秘訣だと思う。