Marc Benioffが作るビジネスアプリケーションのiTunes Music Storeとは?

by tanabe on September 14, 2005

Marc BenioffのSalesforce.comがまた何か新しく面白いことを始めようとしているらしい。

CNET News.comの記事、"Salesforce.com to launch software marketplace"から。
http://news.com.com/Salesforce.com+to+launch+software+marketplace/2100-1012_3-5861423.html

Salesforce discussed plans Monday to launch an online marketplace for business applications.

Salesforce.comがオンラインのビジネスアプリケーション市場・AppExchangeを開始するとのこと。

それが、ただのパッケージ販売では面白くないのだが、

Any software developer or Salesforce customer can sell programs or give them away through the store. Salesforce will encourage developers to make their programs available "on demand," via Salesforce's hosted computing platform.

アプリケーションを売ったり、配布したりするのは誰でもOKで、そのためのアプリケーション基盤はSalesforceが用意する。なので、アプリケーションを作る人はオンデマンドでアプリを公開できるそうだ。

"What if there was an eBay of applications, where companies could buy and sell software, running on our platform?" Benioff asked during a keynote speech here at a Salesforce convention. "What if there was an iTunes Music Store of online applications?"

BenioffはこれをビジネスアプリケーションのeBayやiTunes Music Storeになぞらえている。

以前レポートしたsalesforce.comのフォーラム・Summer '05で、Marc BenioffがSummer '05のバージョンアップでSalesforce.comはThe Long Tailを吸収するサービスとなると言っていた。

「ビジネスアプリケーションには様々な要求があり、それらがロングテールを形成している。Salesforce.comはsforceとmultiforceによる柔軟なアプリケーション提供方式を準備することで、このロングテールを一々拾い上げられるようになる。」という主旨の話だった。

この時は、sforceとmultiforceはたしかに強力だけど、それでもロングテールを拾い上げられる要素としては弱く、たんに日本でフォーラムを開くリップサービスとしてアメリカの流行り言葉をスピーチに織り込んだだけだと思っていた。

しかし、どうやらMarc Benioffは本気だったようだ。このAppExchangeはまさに彼が言ったロングテールを拾い上げるための仕組みだろう。アプリケーション開発者へのインセンティブも用意されるだろうし、十分に魅力的な試みだ。今後の動向を期待して見守りたい。

(関連記事)
Salesforce.com Summer '05のMarc Benioffスピーチに関するエントリ



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オープンであれば技術力は(そんなに)いらないの続きで、プロダクト提供者側の視点でプロダクトのオープン性を考えてみました。ユーザーを競争相手ではなく、開発者にできるかがポイントではないかと感じています。
プロダクトのオープン性。ユーザーを競争相手から開発者に【arclamp.jp アークランプ】at September 26, 2005 15:07