ベルカ、吠えないのか?

by tanabe on June 21, 2005

向井秀徳日記で気になる本の話を読んだ。「ベルカ、吠えないのか?」という古川日出男の小説だ。

6月11日

文藝春秋の方から、面白いから読んで下さい、と送って頂いた本を読んだ。
古川日出男という人の「ベルカ、吠えないのか?」という小説である。
これ、最高に面白い。電気ビリビリ。ショック・ショック・ノリノリ。

第二次大戦からはじまる軍用犬の系譜を軸に壮大に展開される話。
文体が全部断定調でカッコイイ。「犬は疾走する。そして死ぬ。1958年。犬は死ぬ。」こんなカンジがずっと続く。それがイイ。それはとてもカッコイイ。ノっている。文章が。

ここ最近小説にコなかったが、コレには久々にヤられた。キた。

私はすべての職業人は芸人だと思っている。自分の秀でる一芸を披露して対価を得ているのだと思っている。なので、作品には芸を求める。芸となる何かがあれば、それで満足する。サービスとしての泣きも純愛も青春もいらない。ただその人物の生き様を感じる芸を求めるのだ。

そして、この「ベルカ、吠えないのか?」の紹介にはひさしぶりに芸を期待できた。タイトルがまたいい。

読みもせずにうだうだ言っていても仕方ないので、買って読むことにする。

それにしても、一目でジャケ買いしてもいいと思った本は本当にひさしぶりだ。

ベルカ、吠えないのか?