Webの課金モデルとLong Tail

by tanabe on May 23, 2005

このblogのエントリ「Web コンテンツのストリーム化と独立、そしてデータの綱引き 」にisiさんからコメントを頂き、回答をした。

ちょうど普段気にかかっていた話に関係するので、新エントリ扱いでも出してお く。(コメントだとRSS Reader経由の人の目に留まらないんで)

isiさんから頂いたコメントはこちら。

「コンテンツや情報、データ」を利益に還元する方法は、広告以外でありえるのかが 問題のようにも思います。
AdSense代替広告なんかに象徴される物販を伴うリアルな売買とその広告以外でwebは 利益を生む方法はないのですかね。

で、回答したのがこちら。

>広告以外でありえるのかが問題

そうですね。私もそう思います。

インターネットビジネスの難しいところとして、 情報の流通にかかるコストが限りなく安いという点があると思います。 流通コストが0に近いので、物理的な最低ラインのコストというのが ほとんど発生せず、競争の中でだんだんと無料化という方向へ行ってしまう。

そのせいで情報自体で課金するというモデルへ持っていけないんですよね。 本質的に価値を持つものに課金できないからパトロンを探す、 という流れで広告型になっていると思います。

なので、原点に帰って課金できるような競争力の強い情報を持つか、 パトロンの違う形を模索するか、この辺りが現状でパッと思いつく 工夫ですかね。

で、これを飛び越えるイノベーションの種に成り得るのが、The Long Tail なんじゃないかな、と私は捉えています。

たいして、解答になりそうなことはないのだけど、まぁ、考えるきっかけという か枠組みというか、自分のためのメモとして。

isiさん、面白いご指摘ありがとうございました。



この記事へのトラックバック
私は「UNIX USER」という雑誌を毎月購入しているのですが、今月は忙しくてすっかり購入するのを忘れていました。そんなわけで、すでに5月7日に発売されていたUNIX USER 6月号をようやく購入して、帰りの電車の中でじっくりと読みました。
新たなコンテンツ課金モデルの模索【努力が報われる世の中にするには?@WebryBlog】at May 24, 2005 23:30
この記事へのコメント
> 流通コストが0に近いので、物理的な最低ラインのコストというのがほとんど発生せず、競争の中でだんだんと無料化という方向へ行ってしまう。

う〜ん、なるほど。激しく納得です。
流通コストがゼロに近いのに、心理的なモノも含め課金インフラのコストは高いですもんね。
「面白いサイトにはワンクリックで10円寄付」とか、そういうインフラが出来たら面白いかもしれませんね。
Posted by ゆうすけ at May 24, 2005 21:38
>「面白いサイトにはワンクリックで10円寄付」

機能的にはバナー広告でも果たせるはずなんですけどね。

心理的というか、文化的というか、そういう流れは生まれなかったですね。
バナー広告のような露骨さがない形でなら、うまくいくのでしょうか。
Posted by tanabe at May 26, 2005 01:23