キャリアビジョン(ポジ)

by tanabe on May 01, 2005

codemaniaxさんの「codemaniaxの脱・公務員宣言」のこちらの記事を読んで。

世の中いろいろ見てて感じたんだけど、プロフェッショナルとして自分のキャリアビジョンについて真剣に考えてる人って、思ってたより少ないんだなぁ、と。

 あー、これは感じます。めちゃくちゃ感じます。よく皆それで不安じゃないよなーって思う。私なんかは社会人の入り口からけっこうハンデを負っているという意識があるので、とにかくやれるだけのことはやろうという思いが強い。どこでリカバーするか、最後はどこで勝負をするか、をいつも考えている。大学中退だし、文系エンジニアだし、武器を間違えるとあっという間にダメエンジニアになりかねない。(今もなっているという噂も)

クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」とかは読むくせに、ドラッカーの「プロフェッショナルの条件」を読む管理職は少ない(と感じる)。大所高所の議論を好み、自分の足元を見つめることを怠る。

 本当の良書は「努力を避けては何も成らない」ということしか書いていないから、求めている物と違うのかも。みんな、自分が想像もできないような成功をするには、なんかとんでもない抜け道があるんだと思ってるんだろうなぁ。
ひょっとしたら、何か抜け道があるのかもしれないけど、自分がそんな類稀なラッキーにぶち当たるほど恵まれた運命の下に生まれたとは思えないし、そんなあるかないかわからんものに一生を左右されるくらいなら、目の前の1分1秒で先の1ヶ月、1年、10年を脳みそ溶けるまで考えている方がよっぽど安心できる。
100億円は欲しいけど、100億円だけが欲しいわけじゃないから。Grahamじゃないけど、プロセスが美しいことはビジネスにおいても最高のhackだと思う。

 まぁ、どうやったら濡れ手で粟の大儲けができるか考えている人に、正しい方向の努力を他の人よりも圧倒的に濃い密度でひたすら繰り返して上達しろって言ってみても、「はぁ。そうですか。」で終わっちゃうんだろうな。

 それでも幸か不幸か、自分がこれから勝負をしていくべき相手は、「やってない人」でなくて、すでに「成し遂げている人」をターゲットにしないといかんので、「やっている途上の人」な自分はなんにも安心できる話じゃないのだけど。うし、がんばろ。