このイベントへ行ってきたので、遅ればせながら感想とか。
自己紹介とパネルディスカッションという構成で事前に準備された質問に各国、各開発スタイルの立場から意見を答えていくというスタイルで進行していた。
イベントとしてのわくわく感がとても高いものだった。会全体の雰囲気による部分が大きいと思う。
細かい話はいろいろあるんだが、とりあえず受け取った大きなメッセージを二つあげると、
- 顧客に価値を提供しろ
- 最終的には顧客に価値を提供できたかどうかだけが意味を持つ。そして顧客に価値を提供するためには、顧客が得たいものを正しく見極めなければならない。ソフトウェアに価値はない。ソフトウェアを通して、何を実現したいのか。それを顧客と共に発見することが大切だ。「顧客が言うことを正しく聞きとってそれを間違いなく作る」というのはゴールじゃない。顧客の本当の課題を理解しそれを解決して顧客が価値を得るためには何ができるのか。それをゴールにするべきだ。
- values と principles を基に行動せよ
- アジャイルかどうかはプラクティスでは計れない。values と priciples を理解し、それを規範にチームの行動を進化させるのが一番大切なこと。そのための基本的なツールは、フィードバックとレトロスペクティブ(ふりかえり)。やってみて結果を受けて次の行動を変える。それを繰り返してチームを成長させる。
こう書いてしまうと当たり前すぎるのかもしれないけど、実際にそれをやっていて体験として語れる人たちが言うと説得力が違う。
あとは細かい発言からいくつか拾う。『』は発言を意訳したもの。
- アジャイルは「変化に柔軟に対応する」「変化を許容する」というところから、むしろ「本質的に変化が必要な状態なのだから、変化を促す。変化を通じて結果を求める。」というスタンスに進んでいる気がした。(アジャイル門外漢の単なる感想ね。)
- 『レトロスペクティブ、レトロスペクティブ、レトロスペクティブ。』
- 『一番大切だと感じるのは「顧客に価値を届けるまでの時間を0に近づけること」。これは大野耐一氏の言葉から学んだ。』
- 契約に銀の弾丸はないらしい。
- いろいろあるけど、とにかく顧客と信頼関係を結んで合意したところでスタートしているよ。というのが実情っぽい。
- どの話がフックになって顧客はハンコ押してくれるのかを聞こうと思ったけど、聞きそびれた。
- 『アジャイル開発に個人の資質は必要。でもそれは先立つチームの文化がないときの話。チームに文化があれば個人の資質をこえてチームに受け入れることもできる。』
懇親会への移動の際、ゲストに会を欠席して帰るという人がいたので、田町の駅まで案内した。道中に SCRUM の話をいろいろ話していて、この間の話もとても楽しかった。「イテレーションの期間は変えてはいけないよ。あれは期間を固定してチームにリズムを作って、違いが出たときに気づきを得るためのものだから。」とか。「東京駅まで行けたらあとはホテルまで帰れるから大丈夫なんだ。あーっと、ハママッチョーとかいうとこ。」「それ隣りだよ。」とか。
懇親会はあまりアジャイルの話はしていなかった気がする。ウォーターフォールプロセスはどう評価している?とか聞いてみたりしたかな。
最後に懇親会の雑談メモ。
- 音楽とサッカーの話は国境を越えやすい。
- MUSE が好き。デペッシュモードが好き。とか、ふつうに理解できるし話ができる。「MUSE は最初はよかったんだけど、どんどん方向性に同意できなくなってきた。」「あー、わかる、わかる。」
- 「サッカー好きだよ。」「おー!好きなサッカー選手は?」「ミカエル・ラウドルップ」「(爆笑)」みたいな。(昔日本に居たんだよと説明したり。)
- 「じゃあじゃあ、イブラヒモビッチ知ってる?」「当然でしょ」とか。
- 「『乾杯』てどういう意味なの?」「make your glass empty.」これもえらい喜ばれた。