コンピュータのためのデザインから人のためのデザインへ

by tanabe on April 21, 2005

これもCheap Revolutionの一つの発現の形だろう。

まだ開発途中のWindowsの次期バージョン「Longhorn」と、そしてまもなくリリースされるMac OS Xの新バージョン「Tiger」では、ユーザーはファイルの保存場所を覚えておく必要がなくなる。どちらのOSにも検索ウインドウが用意され、ファイルの作成者、ファイル名、文書内の語句など、覚えていることをそこに入力するだけでよい。そして、ユーザーが1文字入力すると結果が瞬時に表示され始め、入力した文字が増えるにつれて検索結果が絞り込まれていく。

 Jupiter ResearchアナリストのMichael Gartenbergは、「情報量が多いと、20年前からある昔ながらのデスクトップメタファーでは対応しきれない。両社がこの点を理解しているのは明らかだ」と語っている。

from 「TigerとLonghorn--これほど似通っているのはなぜ

安価に高度な演算能力を得ることができるようになったため、コンピュータにとって扱いやすかったrootから始まるファイル管理のシステムが必要なくなった。コンピュータにとって都合のいい形から、人間にとって都合のいい形へとインタフェースが進化したわけだ。

コンピュータに合わせざるを得なかったインタフェースを、人間に適したより理想的なインタフェースへとシフトさせるという視点は重要になる。余剰しがちな演算能力の使い道として、しばらく重視されると思う。「次の10年」とまでは言わないけれど。