「何を管理すべきか?」がマネジメントの本質を問う

by tanabe on February 23, 2005

マネジメントについて最近感じていること。

マネジメントを考える上での本質的な問いは、 「どのように?」ではなく、「何を?」であるということ。


例えば、進捗管理をする場合に手段・手法はたくさんある。WBSやガントチャートで進捗を測ることもあるし、もっと広義でフレームワークを適用する場合もあるだろう。

しかし本当に考えるべきはそういったことではなくて、そのケースでクリティカルとなるリスクへ適切に対処するためには、何を管理するべきかということだ。

どの数字の報告を受けるべきなのか?そもそも進捗は何を持って測るのか?遅延日数なのか?成果物の量なのか?残業時間か?クリティカルパスに対する進捗率なのか?マネージャーの予測に対する実績との差異なのか?

マネジメントをする者は、そういくつもの報告について真偽や裏にある事情を読み取ることはできない。必然的にコントロールし得る情報は限定されているはずであり、また意識的に限定するべきだ。より具体的で本質的な点まで言及できる二、三の情報にまで絞り込むのがベストだと考えている。情報の数が多く複雑なコントロールシステムは安心を生むが、けっきょくそれに振り回され実績を生まない。むしろ事実に沿わない情報の氾濫を許し、クリティカルな問題にすら気付けない状況を作る恐れがある。

何を情報として得るべきか?その情報は何を表しているのか?その意味を受けて、どのような行動を取れるのか?

リスクコントロール、品質管理、実績管理、その他色々。成否を分けるのは、どの情報でマネジメントをするのか、そしてその情報を以って何をするのか、である。