05.02.20 HOLIDAY INN BLACK

by tanabe on February 22, 2005

いや、凄い時間だった。素晴らしかった。はてしなく幸せだった。

liquidroom ebisuで催されたHOLIDAY INN BLACKはしみじみとROCK好きでいられた幸せをかみしめられる良いイベントだった。


■ 『HOLIDAY INN BLACK』 TIME SCHEDULE!

15:00〜16:30 OPEN〜DJ time
16:30〜17:20 GREAT ADVENTURE
17:20〜18:20 岸田 繁×向井秀徳×鹿野 淳 TOKYO-FM『discord』公開収録トーク・ライヴ
18:20〜19:10 犬式(a.k.a. Dogggystyle)
19:10〜19:30 DJ time
19:30〜20:20 セカイイチ
20:20〜20:40 DJ time
20:40〜22:10 岸田 繁×無戒秀徳
22:10〜22:30 DJ time〜CLOSE

タイムスケジュールの通り、鹿野淳によるDJタイムあり、ライブあり、向井&岸田を迎えての公開録音トークセッションあり、さらにフリマもあり、のちょっとしたお祭りだったわけだが、やっぱり目玉中の目玉は岸田繁vs無戒修徳と銘打たれたライブだ。

向井と岸田の組み合わせというのは、音楽的にもテンション的にも互いに非常によい影響を与えあっていた。

いや、この二人だったからこそ、あれだけ刺激的でかつ喜びに満ちた空間を作り出せたと言っていい。

向井がアコエレでやっている衝動的で濃度の高い曲を仕掛ければ、岸田はくるり節の胸の端ら辺からじわりと染み入るような曲で聴衆の耳を釘付けにし、向井が対抗するようにナンバーガール時代のような切なくポップな曲で返せば、今度は岸田は向井のお株を奪うような激しいカッティングをザキザキと鳴らした。

それぞれが持ち曲を交互に演奏し、たまに相手の演奏に少し絡むというスタイルで進行していたのだけれど、これが絶妙に良い効果を出していた。

向井の演奏を岸田の演奏が受けると、そこまでの愉快な不快感で生まれた興奮状態を、醒ますでもなく散らすわけでもなくウマイ具合に包み込んで、気分がいいままゆったりとしみじみとした心持ちになった。岸田の曲たちの懐の深さを今さらながらに思い知らされた。

これはアコエレや向井のバンドだけを聴いていたときには味わったことのない、音楽への深い心の底からの満足感だった。くるりをずっと聴いていてもこうはならないし、やっぱり二人が同じ場で音楽を楽しんでいたからこそ生まれた空間なのだ。

正直二人が同時に同じ曲を演奏するという意味でのセッションは意外に少なかったけれど、二人が同じステージでライブをやった効果は最も魅力的な形で結晶していたと思う。向井の楽しそうににやけた顔とキンキンのテンションの上がりが何よりもそれを物語っていた。

予定を越えて二時間にも及ぶ共演だったが、演奏している二人も聴いている皆もあの場の誰もが「もっと続けたい。このまま行くと何が生まれるんだろう」という思いを共有していただろう。次にいつ見られるのかわからない共演だけに、終わりを迎えることが心底残念で心残りだった。

日本のROCKの素晴らしさに身震いした会心の一日だった。あの場を提供してくれた全ての方、あの場の空気を生んだ一人一人にありったけの感謝を。

乾杯。


この記事へのコメント
追記。

どのバンドも良かったが、特にGREAT ADVENTUREはクリスピアン・ミルズを彷彿とさせるイッチャイっぷりでとんでもなくカッコよかった。必見。
Posted by zep716 at February 23, 2005 02:42