つい先日もSunの話題を出した気がしますが、Solaris10のリリースに関しての記事がいくつか出ていたので、ご紹介。
以前、CNET JapanのLinusのインタビューに関するエントリでも触れたように事前情報ではSolaris10にサプライズはないだろうとのことだったのですが、ひょっとしたらリリース版はとんでもないアタリ製品という可能性もなくはないので、一応ウォッチしてみようということで。
つい先日もSunの話題を出した気がしますが、Solaris10のリリースに関しての記事がいくつか出ていたので、ご紹介。
以前、CNET JapanのLinusのインタビューに関するエントリでも触れたように事前情報ではSolaris10にサプライズはないだろうとのことだったのですが、ひょっとしたらリリース版はとんでもないアタリ製品という可能性もなくはないので、一応ウォッチしてみようということで。
Solaris 10では商用、研究開発用の目的にかかわらず、1〜4CPUまでのライセンスが無償となる。1月31日より、同社のサイトから無償ダウンロード提供される。
同社では、Solaris 10のライセンスを無償化する代わりに、年間サポート料をサブスクリプション(購読)形式で徴収する。年間サポート料を大手Linuxベンダーよりも下げることで、シェアを伸ばすLinuxに対する巻き返しを図りたい考えだ。
まずは「NDO::Weblog」さんでも紹介されていた「西川和久の不定期コラム」の記事「「Solaris 10」触ってみました!」
えーと、「NDO::Weblog」さんの「Solaris 10 for x86」を読んで頂ければいいです。
単純にサーバーOSとして比較した場合、システムの安定性、パフォーマンス、NFS処理周りの安定性、取得できるシステムの稼動情報などなどで Linux に比較して優位な点がいろいろあるわけですが、いまや OS として優れているからそれが主流となりえるかという単純な状況ではないですね。
from NDO::Weblog
西川氏の記事は画面図が多いので、雰囲気を見て見たい方には良いかも。
あえて、ちっちゃく突っ込んでおくと、
またWindowsほどウィルスの心配をする必要も無い上、隠れて業務以外のアプリケーションをインストールすることもできなくなる。経営者的にみればかなりのメリットだ。
from 西川和久の不定期コラム
ユーザーが不明瞭なんで突っ込むのもアレなんですが、業務用途にも使えない人と、隠れて業務以外のアプリもがんがん入れられる人の二極に分かれるだけでメリットは皆無では・・・
Linux と比較されるべきは SPARC 版 Solaris 10 ではなく x86 版のそれ。x86 版の Solaris 10 を見た場合、やっぱりデバイスドライバの対応状況とかその辺がキーポイントかなあ。あとは、Oracle を始めとする商用のミドルウェアが x86 版 Solaris をサポートするかどうかとか。
from NDO::Weblog
ここはちょっと追加したいことがあって、OSレベルの出来とは別に、Linuxには「Linuxに馴染んだ技術者が多い」というメリットが確実にあると思うのです。早期にFTP版のディストリビューションが無償ダウンロード可能となり、UNIX系OSが自宅PCで使えるという状況を作り出したことで、多くの技術者がLinuxに飛びついて、これまでスキルを蓄積してきています。Linux側に代替手段のある面でSolarisがアドバンテージをとっても、一気に移行するという状況は難しいのではないかと思います。
また、「とりとめもなく日記的雑記」さんの「Solaris 10/x86 の意味」では、このようにSolarisの強みが指摘されていました。
Linux/x86やWindowsと比較したSolarisをはじめとする商用UNIXの強みは、やはりOSとH/W(含むドライバ)が同時に提供されることだと思います。商用UNIXの安定性や強力なシステム管理機能は、それによる部分が大きいと言えます。
Solaris云々というよりも、トータルのパッケージとしてSunを買うかどうかということになってくるわけですね。
けっきょくのところ、私の感じていることは「とりとめもなく日記的雑記」さんのこの言葉に集約されている気がします。
Sunは最近Linux対応なんてことも言ったりしていますけど、こと対Linux戦略に関してはSunはことごとくタイミングをはずしているように思います。
このSolaris 10/x86で一番得するのは、僕みたいに「気軽にSolarisをいぢる環境がほしいなー」と思ってる一般人じゃないでしょうか。
やっぱりSunの本質的な問題として、製品の優劣というよりもビジネスモデルとして旧式の構造を抱えているというものがあって、Sun自身も自覚してるからこその迷走なのだろうと思うわけです。問題の自覚はあるのだけれど、その突破口をどこへ開ければよいのかはわからず、片っ端から穴を開けてみようと試みているというか。
この試みもその迷走ぶりが出ているようで、健闘は祈りますが成功は難しいと思います。
「サンがSolaris10普及に新施策、ユーザーの業務アプリを移植し性能を実証」
プリセールス活動の名称は「WallStreet Initiative」。既存顧客のSolaris10へのバージョンアップ促進と、Solarisユーザーの新規開拓を目指す。
WallStreet Initiativeの特徴は、「金融ユーザーの目の前でSolaris10の信頼性や処理性能、可用性の高さを披露すること」(サンの伏見竜介金融営業統括部統括部長)。具体的なやり方はこうだ。サンの営業担当者とSEが金融ユーザーのシステム・センターに出向く。顧客企業で実際に動いている業務アプリケーションをSolaris10搭載機に移植。伏見統括部長は「顧客の目の前で、Solaris10の性能・機能の高さを実証し、導入を促す」と意気込む。
金融系のユーザーにとって、問題なく稼動しているアプリケーションの環境を変更するというのは非常にリスキーな判断と捉えられるでしょう。はたして、「Solarisの性能・機能の高さ」がその不安を凌駕するほどのアピールをできるのか、正直疑問です。なにやら営業にかかるコストも馬鹿にならなそうですし。
今のSunには、「何を作るか」よりも「どう使うか」の視点で思い切った舵を取れる人が必要なのでしょう。