「豪ドル預金はお得なのか?・その1」の続き。
それじゃ、今度は金利の高さが生きるように1年ものの定期預金で考えてみよう。
1年定期預金(豪ドル)の場合は、プラス。
先ほどと同じように当初の預金額を日本円で83万円とすると、豪ドル1万AUD未満の1年定期の預入金利は4.53000%(2005/2/15現在)である。TTB/TTSは同様に82円/83円として計算すると、預入額は10,000AUD。これが1年後には金利が付いて、10,453AUD。TTBを82円とすると、857,146円となり、+27,146円という好結果が予想される。
なるほど。では、「豪ドル預金は1年定期で組みましょう」という結論となるのか?
為替のリスク。耐えられるのはどこまで?
もちろんそうではない。ご存知の通り、外貨預金は為替のリスクを抱えている。円高や円安へと1年後の為替相場が振れることで、この+27,146円という予想結果は大きく変わってくるのだ。
では、1年後のTTBはいくら程度までが許容範囲となるのか、を考えてみる。
今回の場合、1年後に豪ドルから円へ戻す時点のTTBが80円の場合に、10,453AUD = 836,240円となり、+6,240円という結果になることが分かる。TTBが79円になると、今度は825,787円で-4,213円と損する結果になる。
どうやらTTB80円辺りがボーダーとなるようだ。ちなみにSONY BANKで円の1年定期預金をしていた場合は、0.123%の金利が付いて結局+1,020円ほどのプラスとなる。やはり1年後のTTBが80円であれば、この豪ドル預金という判断は正解だったと言って良いだろう。
結局、外貨預金は割りにあうのか?
それでは、この1年後のTTB 80円というラインは、安全なラインなのだろうか?
この1年(04/2/15 〜 05/2/15)の豪ドル・円相場の値動きを見てみると、1AUD = 74円台 〜 85円台と非常に広い幅で上下していることが分かる。つまり、天才的な相場勘でもあればともかく、まともに考えればこれから先の1年で80円よりも円高になっているか、円安になっているかなどということはさっぱり分からないという結論しか出せないのだ。
ということは、豪ドル預金が儲かるかどうかは、やってみてのお楽しみ、丁半で博打を打つようなものだと思う。
この博打を回避するために、長期で契約し、高金利を生かして為替リスクを金利差で相殺するという手はある。例えば、5年定期で金利が4.53000%であれば、5年後のTTB 67円くらいが損益分岐のラインとなってくる。このくらいの円高がラインであれば、同じ博打でも大分勝ち味も出てくる気はする。
気はするのだが、そこは銀行の方もよく心得たもので、豪ドル定期は1年ものが最長となっている。5年もの定期という商品はないのだ。
(続く)