豪ドル預金はお得なのか?・その1

by tanabe on February 15, 2005

豪ドル円相場の動きが激しい。 新生銀行のレポートによると、 1ヶ月経たぬ内に、5円の豪ドル高の値動きを見せているらしい。

この動きへの分析として、以下の3つの理由が挙がっている。

  • 人民元の早期切り上げならず
  • 3月にオーストラリア利上げの予想
  • 資源関連企業による豪ドル買い予約

豪ドル預金はお得なのか?

こういった動きに釣られて外貨預金を契約したり解約したりする前に、そもそも高利回りと言われる豪ドル預金(NZドルでも可)はお得な投資先なのかを検証してみよう。


前提とすることは二つ。円預金よりもマシな利益でまわせるのか。そして、相場は水物なので向こう1ヶ月や3ヶ月の相場が円高に動くか円安に動くかを予想することは不可能とする。(これが100%当てられるなら、そりゃ外貨預金をすべきだ。)

3ヶ月定期預金(豪ドル)の場合はメリット薄

さて、この前提の下で手近な豪ドル定期預金である1万AUD未満の3ヶ月もの定期が”使える”商品かを検証してみたい。

サンプルとしてSONY BANKの利率を使ってみよう。これには他意はなく、SONY BANKのMONEYKitは利便性や操作性、適度に詳しい情報を兼ね備えた非常に優秀なツールをWebで提供してくれており、そのツール類がこういったシミュレーションをする場合にとても便利だから、というのがSONY BANKを選んだ理由である。

さて、そのSONY BANKでの豪ドル1万AUD未満の3ヶ月定期の預入金利は4.44000%(2005/2/15現在)となっている。また、対円のTTB/TTSはおよそ82円/83円だ。当初の預金額を日本円で83万円としてみよう。TTSが83円なので、預金額は10,000AUDとなる。

これが3ヶ月後には金利の4.4%が付いて、10110AUDとなるわけだ。試みに現在のTTBである82円で日本円へと換算すると、829,020円。-980円となっている。これでは、円預金をしていた方がマシだ。面白くない。

それじゃ、今度は金利の高さが生きるように1年ものの定期預金で考えてみよう。

(続く)