「Thin Clientは失敗する」を読んで。

by tanabe on January 20, 2005

産経新聞「正論」 「あちら側」と「こちら側」長考」へとトラックバックを頂いた「ゆうくんの部屋」さんの「Thin Clientは失敗する」を読んで。

「PC側からインターネット側にパワーシフトがおこっているというのは否定しません。辞書、ホームページ作成、地図、乗換案内、翻訳、年賀状など、いままではPCにインストールされたソフトでやっていた仕事が、インターネットでできるようになっています。

しかし問題はそれがどこまでシフトするかです。」

「また、ユーザーが自分のPCと、サーバーのどちらで仕事をさせたいのか想像する必要があります。大事なデータをどれだけサーバに送ろうと思うでしょうか。できるからといって、ユーザーがそれを好むとは限りません。」

重要な疑問ですね。たしかに私のエントリの内容だとこの点への説明が不足していました。ご指摘ありがとうございます。


実は、元の梅田氏のエントリにはこの辺りの話もあったりしました。「PCに残る仕事、残らない仕事」の中に、まさに「何を残し、何 を移すか」という小題があります。

「あちら側」への移行に関する試行錯誤はまだまだは じまったばかりだ。これから最終的に何がPCに残るのか非常に興味深い。

「いま我々がPC上でやっている仕事や情報の何がどの 程度、PC上からなくなるのか」

([梅田望夫・英語で読むITトレンド]「PCに残る仕事、残らない仕事」より)

梅田氏の内容も、Google PCという発想ありきではなく、そういう考え方があると いうことを知った上での「実現性についての吟味」(Thin Clientは失敗するより)をやっていこう、という主旨になっています。

また、ユーザーの選択というのも言及されていました。

「Google PC」では、サードパーティのアドオンをイン ストールなどしなくても、あなたのローカルファイル、eメール、IMはすべてイン デックス化されてサーチできる。ここまではもう織り込み済みだ。そして次は、見に 行ったウェブサイトだろうとJohnは予測する。「見に行ったウェブサイト」がGoogle によって捕捉されてサーチ対象に組み込まれるという意味。「ああ、どこかのウェブ サイトで見たなぁ、どこだったっけなぁ」なんて心配はもう要らないというわけ。さ らには、我々がPCに向かって行なった行為のすべて、さらには、電話での会話までを も、自動的にスピーチからテキストに変換して、そのテキストをインデックス化して くれるかもしれない。

「Google PC」を許容できるか

むろん、こうした行為に、薄気味悪さや嫌悪感を抱く 人々も多かろう。しかし、「そりゃ抜群に便利だ」ということでシンプルにこの 「Google PC」世界を受容していく人たちもいるだろう。そこに世代的な違いがあるのでは ないかという予感が、このコラムのタイトルが「The Google PC generation」 (Google PC世代)となっている所以であろう。

([梅田望夫・英語で読むITトレンド]「「Google PC世代」という考え方」より)

結局、私が省いた辺りにも考えるべき内容は多く含まれているという・・・
失礼しました。

ただ、最後の「Thin Clientにはならないでしょう。」と結論付けるにはやや早い ような気がします。同じ「Thin Clientは失敗する」の中でも、私はまだ「しかし問題はそれがどこまでシフト するかです。」について考えを深めるべきかなぁ、と感じています。

もちろん”ゆうくん”氏の書かれている通りに制約を受けてPC側に残るものもあ ると思います。その上で、「本当に「3対7あるいは2対8」で止まるのか?」、「一般 のユーザーのPC利用の形態を考えると、もっと「あちら側」へシフトする部分が多い 可能性もあるのでは?」といった点についてはまだまだ検討の余地があるでしょう。


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zep716氏にいろいろと批評(「Thin Clientは失敗する」を読んで。)
Thin Clientは失敗する2【ゆうくんの部屋】at January 23, 2005 18:08