「ネット世代論」考

by tanabe on January 17, 2005

せっかく梅田氏ファン(隊長ファンかもしれないが。)からのアクセスが増えているようなので、関連する話題を。

梅田氏のCNET Japanでの連載の中で提示されたもう一つの興味深い話である「ネット世代」論について、自分なりにこれまでの推移をまとめてみたい。


まず、このインターネット世代論については大きく分けて二つの視点があると思う。行動学的な視点でのインターネット世代論と、インターネットの捉え方を中心としたインターネット世代論である。先日の「あちら側」の話などは、後者の話の一部といって良いかもしれない。

行動学的なインターネット世代論

こちらの視点での関連エントリは以下。

ゲーマー世代の若者といかに付き合うかゲーマー世代の若者といかに付き合うか

ゲーマー世代は上の世代から見ると「異常に生意気」?

インターネット以降の世代の行動から、その特徴が述べられている。いわゆるジェネレーション論にも近い。

正直、私はこちらの視点での議論にはそれほど興味がそそられなかった。
この意味での分析や調査はビジネス誌などでも取り上げられる割合も高く、それに比べるとやや偏った内容となっている印象もあったためだ。

この視点で最も印象に残ったのは次の一節。そもそもの引用元は「*0410.jp/memo/」さんの「世代」というエントリ。

俺の思う現世代の違いは、「世界最高と言われる人やモノへの情報のアクセス可能性が高い」ということですかね。

以前このブログの中で、「時間的・空間的に有史以来最大のスケールメリットを享受している状態が高速道路の実体なのではないだろうか。」という指摘をしたことがあるが、この世界最高へのアクセス可能性の高さという視点からインスパイアされた部分は大きい。

インターネットの捉え方を中心とした論考

この視点でのエントリは以下。

インターネット時代をリードできない「PC世代の限界」

ネット世代とPC世代を分ける「インターネットの隠れた本質」

本当の意味でのネット世代とは

「真のネット世代」再考

「電車男」に見る2ch文学の可能性

インターネット世代論・再び

「Google PC世代」という考え方

ここでは、様々な視点からインターネットへの感覚のまったく違う世代を読み解こうとしている。

まず最初に梅田氏から提示された視点はこちら。

キーワードは、「ネットの向こうに存在する不特定膨大多数」への「信頼(トラスト)の有無」である。ネットの向こうに存在する千万単位、億単位の見知らぬ人々(有象無象)やその知やリソースを、当たり前の存在として心から信頼できるのが「インターネット世代」、頭では仮にわかっても心からは信頼できないのが「PC世代」。

ネット世代とPC世代を分ける「インターネットの隠れた本質」

それに対し、ゲストブロガーだった岡田正大氏からこのような意見が出ている。

不特定多数の知のクオリティや信憑性を「自ら判断できる」人間だけが本当の意味で「ネット世代」といえるのではないか、ということだ。自ら物事の価値を見抜く尺度・価値観を持っているからこそ、不特定膨大多数の知を躊躇なく受け入れることが出来る。

つまり「ネット世代」とは、「自信(自分への信頼)」を持った人々のことであるというのが私の理解だ。

本当の意味でのネット世代とは

しかし、この意見については後に梅田氏からこのような意見もあった。

確かにそういう側面もあろうが、そんな強い人間ばかりをネット世代と定義するのはちょっと厳しすぎるのではないかと思う。むしろ「A big bear coming out of hibernation」氏の意見のほうに僕は共感するなぁ。

インターネット世代論・再び

その「共感する」という考え方は、「A big bear in early summer」さんの「ネット世代の本質」から得られたこの考え方だ。

ネットの向こうを信頼できるか否かは、「インターネット(ネットワーク)に貢献している経験の有無」に依存するという考え方だ。

インターネット世代論・再び

さらに、このような視点もあった。「Programmer'sEye」さんの「インターネットを生活の場に出来るか?」からの視点。

「インターネット世代」と「PC世代」という二つの世代を分けるものがあるとすれば、「インターネットを生活の場としてとらえる」事ができるかどうかと言えるのではないだろうか。

インターネット世代論・再び

そして、「デジモノに埋もれる日々」さんの「私たちがネットを通して見ているもの・築いていくもの」からの視点。

ネット世代の人は、コミュニティに於けるコミュニケーションそれ自体を、生活に於ける「娯楽」の要素として捉えていることが多いようです。

インターネット世代論・再び

 

この世代の意識を理解することは、これからのインターネットビジネスを考える上で非常に重要になると思う。

さて、私は「私たちがネットを通して見ているもの・築いていくもの」での「ネット上の対人関係に価値を見出せるかどうか」を測定する質問A, B, Cの全てに"YES"なネット世代である。

次回はそんな私から見たネット世代の特徴として、ネット世代の情報感覚を書いてみたい。


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ネット世代の情報感覚とは? 結局のところ、ネット世代の情報感覚の特徴は以下の3つに集約されると思う。1)一つの情報が負担するウエイトが軽い 2)情報の数で情報の質を向上させる 3)主観的に情報に接する
ネット世代の情報感覚とは?【満足せる豚。眠たげなポチ。】at January 28, 2005 03:00