「検索」によるマーケティングに反論?

by tanabe on December 20, 2004

SEM という単語もだいぶ一般的になってきた感があります。
IT系の書籍売り場に行くと、そのような単語に関する本や雑誌が数冊は見つけられるようにもなりました。

そんな最近は効果があることが当然のように扱われるSEMに、一石を投じるかもしれない調査結果が出たようです。

 この調査はYahoo!傘下のOvertureの委託を受けて実施され、今年1〜3月期に上位25の検索エンジンを利用して、家電やコンピュータ製品の検索を行ったユーザーのショッピング動向を調べた。その結果、これら製品の検索を行ったユーザーのうち、実際に製品を購入したのは25%。うち92%はオフラインで購入されていた。特にDVDプレーヤー、テレビ、カメラといった家電製品はデスクトップやノートPCなどのコンピュータに比べ、検索した後にオフラインで購入される確率が高かった。

 オンラインで購入した8%も、検索した直後に続けて製品を購入したのは15%のみで、残る85%はその後別のセッションで購入している。検索してから5〜12週間後に購入したという層が全体の約40%に上った。

興味のある話題なので、単なる紹介で終わるつもりはないので、ちょっと切り口を与えてみたいと思います。

  • オンラインでの購入率は8%。SEM効果の効果は低いのか

オンラインでの購入率8%は低いのか?

この調査結果のニュースタイトル自体が「製品検索の大半は直接購入に結びつかず」であることに発している気もしますが、どうもこの8%という数字を受けて検索からの購買率は意外と低いという話の流れが強いような印象を受けました。たしかに数字上の大小を単純に比較すると、オンラインでの購入よりもオフラインでの購入の方がずっと高い割合となっています。
しかし、まずその前に注目すべきはこちらの数字です。

実際に製品を購入したのは25%

調査結果によると、検索したユーザーの内、実際に購入したのは25%のユーザーに上るとのことです。これは驚くべき数字です。SEMにおいて、検索をかけてくるユーザーは見込み客だと言われていますが、25%の成約率の見込客というのは強力です。まずは、オンライン・オフラインでの購入に関わらず、「製品を購入したユーザー」は25%に達するということは注意すべきでしょう。この時点で、メーカーにとってはSEMの効果というのは十分に実証されていると言えるのではないでしょうか。オンラインだろうとオフラインだろうと、買ってもらえればOKというメーカーからすると、例えば「DVDプレーヤー」と検索をかけた際に自社の商品をアピールするのにどの程度の予算をかけられるか、という目安は出せそうです。(これだけが手がかりだと、桁レベルで間違いがなさそうだという程度ですが。)

一方で、次のオンラインでの購入率8%が重要な意味を持つのが、オンラインでの販売を行っている販売店でしょう。検索数から見ると、オンラインでの購入数はわずか2%です。その販売店の特色にもよりますが、一般的に満遍なく商品を扱っている場合、この数値ではお金をかけてSEOに励んだところでリターンを得るのは厳しいでしょう。ただし、これは一商品に絞ったSEOは費用対効果が薄いというに過ぎません。

SEMは十分な効果がある。さらに注目すべきは検索から購入までの間に行われている行動だろう。

私は、SEMには十分な効果が見込めると感じました。特に製品を開発しているメーカー側にとって、自分の製品を検索結果上でもしっかりアピールすることは必須であると言えそうです。その上で、今後注目する価値のありそうな情報として、「検索から購入までの行動」が挙げられると思います。検索から購入までの行動については、この調査結果ではあまり詳しい発表がなかったようです。(少なくとも記事上では。)

検索から購入までの期間は、なぜ空いたのか。この点を突き詰めれば、もっと購入率の高いSEMが実現できる可能性があるかもしれません。ぱっと思いつくのは、「検索かけたけど、お金がなかったからしばらく待った」「検索した後、店舗で実物を確認していた」「検索結果を受けて、誰かと相談していた」・・・などなど。上手いこと、この期間に行う行動を代替するサービスを提供することで、他の製品、お店へ移っていくユーザーを引き止められるのでは?と思います。

 

ちなみにこの話は、Dragonfly's blogさんのエントリ経由、[N]ネタフルさんのエントリで知りました。
どうもありがとうございました。